女王様のシネマの館

10月までに見たもの
何しろ書くのが遅くて追いつかないのは図書室と一緒。ここはこの辺までにしておきます。
他にも「ひまわり」とかアップしたいのもありますが追々ということで。

「晩春」監督・小津安二郎 出演・原節子 笠智衆 8.2カラット
私の中では小津映画のベストワン。昨年末は小津生誕100年と言うことで結構盛り上がりましたよね。
ラストシーンの笠智衆の演技には何度見ても泣かされます。あのシーンだけ見ても即泣けます。
笠智衆は最高です。
原節子もこの映画が一番良いと思います。
でも、私たちの父、母世代は原節子絶賛!!なんですが、私にはそこまでとは思えません。
やっぱり年をとる前に消えたのが良かったのかなと思うのですが。どうでしょう?(ジェームスディーン現象?)
ただ、あのころ良く出ていた田中絹代などに比べるとインパクトある華やかな顔立ちですよね。
2003年の秋から中日文化センターで「映画監督小津安二郎」という講座を受講しました。映画評論家の吉村先生と言う方の講座でした。
私は映画好きですが、あまり周辺事項の知識がなかったので、とっても勉強になりました。
一緒に受講した方も、映画好きな方が多く刺激を受けました。

「東京物語」監督・小津安二郎 出演・原節子 笠智衆 7.8カラット
日本が世界に誇る作品だと思います。
日本らしさと言う意味では晩春より優れているかもしれません。
こちらも笠智衆の演技は絶品です。妻を失った夫役と娘を嫁にやる父親役をやらせたら彼の右に出る役者はいません。私がはじめて笠智衆の演技を見たのは寅さんだったと思います。あのころははまり役!って思っていましたが、ちがいました。「晩春」と「東京物語」あと、「秋刀魚の味」。これがはまり役。反則!といいたくなります。
全体を流れる親子、家族のやさしくやるせなく無常な感じはとてつもなく切なさをそそります。
これもラストシーンの団扇をあおぐ笠智衆がいいですねえ。あのシーンを撮影したあと笠智衆の座っていた座布団からは湯気が出たとか。。。そのくらい大変な時間のかかる撮影だったようです。
私はこれが小津作品の中では2番目に好きです。
一番に挙げる人が多いこの作品ですが、私はやっぱり晩春が一番です。

「キャッツ&ドッグス 6.0カラット
肩の力を抜いて見てください。ワンコ好きは結構ツボを刺激されます。笑えます。
ワンコがいい役、ニャンコが明らかに悪役なのでニャンコ好きの方は怒るかも!
所々にでてくる何気ないワンの表情が「あー、犬飼ってる人が製作にかんでる」って思わせるようなゲイコマなところがあってウフフな感じ。「クビだしオッケー」の台詞には笑えました。
お子様も楽しめるので是非親子でどうぞ。アポロは一緒にじっとみてました。
映画のできとか、主題はとかそういうことは言わないで見てね。

「K−19 4.8カラット
私の青春のヒーローハリソンフォードがどうしてこんな役を!!
ハリソンが正義の味方じゃないということに気づくまでに時間かかった。この役、ハリソンがやる意味はあるのか?被爆した船員たちは良く描かれていて、恐怖感が伝わってきた。
普通の、恋人もいる、未来ある青年たちが潜水艦に閉じ込められて被爆していく。。。
でも、なんだか無謀で嫌な艦長ハリソンの心が変わっていく様子とか、いまいちわかりにくいというか。
そこんとこが描きたかったのか?何が描きたかったのか?
いまいちわかんないんだなあ。
それにしてもハリソンには永遠のヒーローでいて欲しいと思う私でした。

「パルプ・フィクション」 6.9カラット
えっ!映画好きとか言ってて、これ見てなかったわけ?といわれちゃうかもしれませんが、そう、見てなかったんです。
面白い映画でした。全体のムードも良いし、かっこいいー!おいおいってとこはあるけどそのめちゃめちゃなとこも良かったです。「凄い好みのタイプ」な映画ではないけどこの感じがタランティーノの魅力なんだろうなと思います。
いろんなとこで「おー、これはこれにつながってたのか」ってのがあってよく出来た脚本でした。
トラボルタもかっこいいよね。あえて言うならユマ・サーマンとトラボルタのダンス長すぎ?いい感じだったけど、ダンスシーンが長いのは私は苦手。
「キルビル」はどうなんでしょ。そろそろ借りてこなければ。

猟奇的な彼女 6.3カラット
「冬ソナ」が大ブレイクするより前の韓国映画話題作でした。
ラブコメですが、結構キュンとするところもあり楽しめます。ヒロインが、そんな女いねーよ、ってくらいはちゃめちゃなんだけど、でもかわいい。長いストーレートの黒髪がなんだかピュアな感じで、日本の女優にはもうこういうコいないなと思わせる。相手役の男の子はちょっと情けなさすぎ!な感じで私は好みではないけれど韓国では人気なのかな?
韓国ドラマの吹き替えを見慣れてない人は字幕で見るのをお勧めします。慣れないと日本人と同じ顔なのに吹き替えっておかしくて見られません。
ヒロインの女優はついこの間日本に来てましたね!「僕の彼女を紹介します」という映画に主演だそうです。

秋刀魚の味 7.0カラット
小津安二郎の遺作となった作品。
大好きな笠智衆がまたしても娘を嫁にやる父親役。もう、ほんとに反則!なくらいいい。娘役は岩下志麻。初々しくて美しい。私には原節子よりむしろきれいにおもえるのだが。「象印なら〜電気代ちょこっと♪」とかやってる場合じゃないぞ。まあ、
ストーリーとしてはそろそろ娘を嫁にやらないとなあ、という父と本当は好きな人がいたのにちょっと遅すぎてかなわぬ恋だった娘。むしろ「晩春」より健全と言うかさわやかだ。「晩春」には屈折したというかねっとりした?親子愛のようなものが見え隠れしてちょっと危ない感じも否めない。
ラストシーンは台所でうなだれる笠智衆の後ろ姿。これがまたいい。
でも、「晩春」のりんごのラストシーンには残念ながら及ばないと思う。

ディープ・ブルー 
 2003年/英=独
監督:アラステア・フォザーギル,アンディ・バイヤット
8.0カラット
製作7年、ロケ地200ヶ所、撮影フィルム7000時間をかけた海洋ドキュメント。
あまりドキュメンタリーは見ないのですが、テレビで紹介された時の映像があまりに美しく、どうしても見たくなりました。
 すばらしい映像でした。命にあふれ、厳しく、やさしく、美しい海の世界が本当に間近で見ているように繰り広げられます。迫力満点! 声を失う程です。というか映画館なのに声を「おーっ!」とか出したくなった!
 見た事もない深海の発光生物も神秘的でした。
「生き物地球紀行」などが好きな人にはお勧めです。
でも、この海を汚しているのは私たちなんだと、それも思い知らされました。こんなに美しいものを私たちは破壊しているんだ・・・。
音楽演奏はベルリンフィル。

華氏911  2004年/米
監督:マイケル・ムーア
出演:ジョージ・W・ブッシュ,,ドナルド・ラムズフェルド,ディック・チェイニー,マイケル・ムーア
7.6カラット
普通はドキュメンタリーは見ませんが、これは見なければ!と。「ボウリング・フォー・コロンバイン」は衝撃的で、笑えて、泣けたけど今回はあまり笑えなかったし泣けなかった。泣いてる場合じゃないと思った。
 夫いわく、「おい、ブッシュ、世界を返せ!」(角川書店)と内容的にはほぼ一緒だそうだ。(私は読んでないので)だから、新しい事実は無いけれど映像で見ると衝撃だと言っていた。私は読んでなかったので、すべてが新しく、驚きだった。奴がここまで極悪人だったとは・・・。
 この作品や前作がちゃんと(トラブルはあったが)製作され上映され賞まで取るアメリカってやはり自由の国なのか?日本ではありえない。
 でも、これでも大統領選を目前に、ブッシュの支持がまた上昇中。やっぱりアメリカって馬鹿??
 そして、そのアメリカのポチをやってる日本って・・・(常々思うがこの表現は全国のポチの皆様に失礼だと思う。小泉とポチを一緒にするな!)
※この感想を書いたのが少し前なので、この後、ブッシュは再選されました。やっぱりアメリカ人は馬鹿だった。まあ、ケリー、インパクトなさすぎだが。



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